離婚における被害。
離婚の被害者は子供で、親は勝手な加害者だという言葉をよく聞く。
私も子供の頃はそう思ってた。
どんな親でも大好きだった。仲良くして欲しかった。
必死で取り持った。
母の愚痴を聞き、頷き、
父に無言で寄り添った。
父が悪いのは子供ながらに気づいてた。
怒鳴るし、叩くし、物を投げる。
母だって怒ってたけど、強く出られたらとても敵わない。
母はいつも泣いてた。
父の浮気だ。
そんな母を見るのも嫌だった。
だけど子供を産んでみてわかった。
母がどんなに辛かったか。
母がどんなに必死で子育てしてたのか。
信頼関係を壊し、母の愛情を吐き捨てたのは紛れもなく父だってこと。
母は経済力がなく、離婚の選択肢は無かった。
家庭内の暴力は普通にあることだった。
今思えば被害者は明らかなのに、
自分が実際被害に遭うまで、「どっちも悪い。」的な気持ちがあった。
それはそうだ、母は子供に被害を事細かく言わない。
泣いてばかりか、イライラして怒る母も大嫌いだった。
でも今はわかる。
理由もなく離婚を選ぶ女性なんていない。
離婚におけるリスクも、DV関係のまま暮らすリスクも、
どう考えても女性の方が大きい。
そんな事はない、男性だって被害に遭う!って声が大きい事も知ってる。
男性だって被害に遭う事を誰も否定しない。
女性の被害が多いことを否定する必要がある人はどんな人だろうか?
離婚には理由がある。
被害者に対して、
「夫婦喧嘩は犬も食わない。」
「どっちもどっち。」
「我慢が足りない。」
「離婚は子供を傷つける、加害行為だ。」
様々な種類の二次加害が蔓延っている。
妻からの被害から逃げた男性にも更に無理解があると聞く。
イジメも、いじめられる方にも落ち度があると言う輩が絶えない。
実際色々な立場で、色々な感じ方はあるけれど、
前提にある被害を無視して、
被害者を加害者だとする風潮を、
何より家裁という機関が採用している事に、強い憤りと恐怖を感じている。